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2016/01/01 掲載

松﨑会長の年頭所感

2016年 年頭所感

     一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会
                            会長 松﨑 正年
             (コニカミノルタ株式会社 取締役会議長)


                                
 謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 日頃より一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会の活動に多大なるご支援とご協力を賜り、
心より御礼申し上げます。
 昨年から本年にかけての経済環境を概括いたしますと、米国では引き続き家計部門を中心に先進国の
経済をけん引する堅調な成長が持続し、欧州(ユーロ圏)では低インフレが継続する中でも個人消費が
持ち直し景気は緩やかに回復、日本では2015年7~9月期が2四半期ぶりにプラス成長に転じたものの、
消費の回復は鈍く足元の景気はまだ足踏み状態ですが徐々に回復軌道に復する見通しです。
一方で中国では景気減速が継続し、資源国経済も原油価格下落の影響で減速傾向となることが見込まれ
ますが、世界の経済は、2016年に向けて持ち直しつつ、その回復ペースは緩慢と予想されます。

 当業界の事業分野におきましては、会員企業が顧客への価値提供と向き合って世界各地で事業活動を
行ってきた結果、北米・欧州の市況が堅調に推移したことに加えて、対米ドルの円安の影響もあり概ね
堅調に実績を残しております。
本年もアベノミクス第2ステージに入る中、会員各社が、産業構造の変化を認識し、自ら革新を続け切磋
琢磨することで、日本経済の持続的成長に貢献して参りたいと存じます。

 当協会が昨年取り組んで参りました重要な活動を振り返りますと、先ず、「ワークスタイルの変化への
対応」があげられます。昨年に引き続き、特設委員会「新世代ワークスタイル実践プロジェクト委員会」
(NeWS委員会)の活動を通じて、ワークスタイル革新への取り組みを行ってまいりました。
『2025年、日本がイノベーションを継続的に創出し、人々が生き生きと働くためにはどのようなワーク
スタイルが実現されているべきか』というテーマを設定し、
 1. ダイバーシティを積極的に取り入れたグローバルビジネスの実現
 2. AI、IoTの進化による知識産業革命・サービス型産業構造への転換
という軸で10年後のワークスタイル像の仮説を立て、それを実現していくためのサービス、制度・仕組み、
働き手の考え方・意識などのあり方に関して議論を進めています。また先進的な企業へのインタビューや、
有識者・専門家の方々や地域で活躍している起業家の方々などとの意見交換を継続して行い、シナリオを
描く活動を行ってまいりました。
本年は、いよいよ実践活動のステージに移行し、オープンイノベーションとコラボレーションワークを
キーワードに、新しい働き方を自ら行うことで、リアリティのある課題とソリューションを提案し、NeWS
委員会の提唱するワークスタイル像のシナリオを作り上げて、それを提言に結び付けていきます。

 重要な取り組みの二つ目は、環境課題への取り組みであり、当協会は電機・電子業界とも積極的に連携
を図りながら進めて参りました。
低炭素社会への対応として、経団連「低炭素社会実行計画」のもと、電機・電子4団体にて前年度実績
として基準年(2012年度)に対し10%以上の生産エネルギー原単位の改善を実現いたしました。また、
循環型社会への対応としては、政府との協調のもとバーゼル条約への働きかけにより、修理・整備を伴う
リユース製品に対する輸出入条件の緩和を実現し国際間移動を容易にしました。
今後も、ビジネス機器製品やサービスを通じて環境や省エネに係る最先端の技術やノウハウを提供する
ことでお客様や社会の環境課題の解決に結びつけるべく、積極的な展開を進めて参ります。

 重要な取り組みの三つ目は、会員各社がグローバルビジネスを更に進めるための支援活動です。
当協会は一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)とともにWTO本部のITA品目拡大交渉に参加し、
政府交渉を後方支援させていただきました。この拡大交渉が2015年12月、ケニア・ナイロビのWTO閣僚
会議において正式に品目の最終合意がなされ、長年の懸案であったプリンタカートリッジ、プリンタ
トナーを含む複合機、プリンタの本体、付属品、専用部品、消耗品が明確にITA品目として無税扱いに
なったことは大きな成果です。
また、2015年10月には米国のアトランタで行われた環太平洋パートナーシップ(TPP)閣僚会合において、
TPP交渉が大筋合意に至りました。TPP協定は, 成長著しいアジア太平洋地域において、日本と米国が
リードして、関税のみならず投資および政府調達の標準を定めた意義のある合意です。担当された政府
関係者のご尽力に感謝いたします。
当協会は引き続きITA品目拡大、残る非関税障壁撤廃に努力していく所存です。

 本年も、「協会改革フェーズII」として協会の基盤強化と効率化を継続するとともに、成長分野の「POD
分野」「ソリューション分野」での取り組みを強化してまいります。
「POD分野」においては、昨年より印刷標準化対応検討会を設置し、さっそくISO国際委員会に参加し
会員企業の課題解決を図る活動を開始しました。「ソリューション分野」においてもモバイルプリントの
プラットフォームに焦点を当てながら検討を進めており、会員各社の業容拡大にあわせ、協会のドメイン
の拡大を目指しています。
加えて、会員制度の見直しも検討中で、新たな会員獲得のために窓口が広がる様その準備を進めてい
ます。

末筆になりますが、本年も関係官庁、関係諸団体の皆様には倍旧のご指導・ご支援を賜ります様お願い
申し上げます。
合わせまして、会員企業の皆様のご理解とご協力を引き続きお願いすると共に、ご健勝を祈念して新年の
挨拶とさせて頂きます。