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平成19年3月20日
“電卓あれこれ”

「電卓の日」
 "電卓の日(3月20日)"は、1974年(昭和49年)にわが国の電卓生産数量が年間1000万台を突破したことと、国産の電卓が発売されてちょうど10年目の節目に当たることを記念し、JBMIAの前身の社団法人 日本事務機械工業会が制定しました。
 電卓は、東京オリンピックの年に当たる1964年(昭和39年)3月18日にシャープ鰍ェ価格535千円、重さ25Kgのフルキー式電卓「CS−10A」を国産第1号として発売以来、「使い易さ、低消費電力化、低価格化」を実現する"軽薄短小化"へのたゆまぬ技術開発と品質確保、技術の応用などによって世界を席巻し、その後の液晶産業・半導体産業・太陽電池産業などの隆盛の基を築きました。
 こうした経緯から"電卓の日"を3月18日とする案もありましたが、多くの記念日がある3月の中でも、市場の隆盛を象徴する春の到来を意味し、しかも覚えやすい日ということで"3月20日"に設定されました。

「電卓品質認証制度(BMマーク)」
 電卓品質認定制度は1974年(昭和49年3月1日)に当時の電卓部会の会員会社14社が2年間の準備期間を経て発足させました。電卓業界の過当競争から生じがちな品質・性能・アフターサービスの低下を防止しユーザーが安心して使える電卓を供給することを目的に制定されました。
 @生産者認定とA個々の商品の品質認定を行い、この2つに合格すると工業会の許諾により"BMマーク"を付けることができるものでした。
 @生産者認定は、電卓生産工場そのものを審査するものであり、公的な第3者機関(財団法人 機械電子検査検定協会)に委託し、A個々の商品の品質認定は、工業会の認定基準や試験基準による検査データを審査委員会で厳格にチェックする体制でした。
この制度の運用で技術水準、品質確保が定着したことから、当制度は昭和60年3月末をもって廃止されました。

「電卓と電話のテンキー配列はなぜ違う」
 電卓のキー配列は、もともとキャッシュレジスタの配列から来ています。キーパンチャーが数字を打ちやすいように比較的頻度の高い「0」を手前に置き、「0」に近い数字を手前から順に配列する方式でした。電卓を商品化した事務機器メーカーはレジスタに縁が深かったことから、この配列を採用しました。
 一方、電話の場合は、昔ダイヤル式だった時、指の無駄な動きをしないでダイヤルしやすいように「1」から順に番号を並べた配列としたのが始まりで、現在のプッシュフォンや携帯電話にもその名残で用いられています。
 どちらが効率的か人間工学的に良いのかで1980年代のISO(国際標準化委員会)で論争が起き、海外勢の電話配列派が優勢でしたが、日本の電卓配列派が紹介した「電卓配列でOLが目の覚めるようなスピードで入力しているビデオ」を見て会場が静まり返ったそうです。結局は慣れや熟練の問題であるとの結論に達し、それ以後、この論争は無意味となりました。