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2020/01/01 掲載

山下会長の年頭所感

2020年 年頭所感

      一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会
      会長 山下 良則
      (株式会社リコー 代表取締役 社長執行役員 CEO)




新年おめでとうございます。

日頃より一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会の活動に多大なるご支援とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。新たに令和の時代となり、最初の新年を皆様と共に迎えられましたことを、誠に喜ばしく思います。
昨年は相次ぐ台風や大雨による自然災害が各地で発生し、甚大な被害を及ぼしました。災害危険レベルの見直しと、その対策及び地球温暖化への取り組みの重要性を再認識いたしました。
被災された皆様には、改めて心よりお見舞い申し上げます。

さて、当業界を取り巻く国際的な状況をみますと、昨年の重大な関心事であった米中間の貿易摩擦、英国の欧州連合からの離脱については、いずれもそれなりに前進をみましたが、本格的な影響が出るのが本年に持ち越された面もあります。こうした世界情勢の変化は、決して一時的なものではないとみられるだけに、私達としても潮目が変わったということを自覚して行動しなければならないと改めて感じています。

さらに景気の観点からは、米国経済がどうなるか不確実性は残っていますし、欧州経済は引き続き厳しい状況のようです。また、中国経済の減速傾向も次第にはっきりしてきています。国内に目を転じても、政府は大型の補正予算を組みましたが、昨年10月の消費税増税後の展開がどうなるか、なお不透明な状況にあります。

このように、内外経済の動向は、新年になってもなかなかはっきりせず、心配事は絶えません。しかし、そうした下にあっても、お客様の新しいニーズは絶えず生まれています。それらに応えるのが私達の仕事ですので、時に協力し、時に切磋琢磨し合いながら、この不確実な経営環境を業界全体として乗り切っていきたいと思います。

特に、人工知能(AI)とロボットの利用(RPA)が、オフィスも含めた幅広い仕事の現場で急速に拡がり働き方を変える動きも加速しています。さらに、環境・社会・企業統治、すなわちESGに対し一層丁寧な配慮も求められるようになっています。

私たちが対応すべき課題は山積していますが、当業界への期待を整理し、当協会として本年も重点テーマに取り組みます。
・「グローバル社会の一員としてSDGsに貢献」では、電機電子4団体でのプラスチックの3Rやライフサイクル設計の推進やエナジースター3.0への対応を行ってきました。リユース・リサイクル・省エネルギーなど継続して環境対応で貢献していきたいと考えています。
・「グローバルパートナーシップ関連」では、ASEAN諸国に対して「製品認証に関する教育支援プロジェクト」を成功裏に完了(JAIF基金活用)しました。本年はASEANが「自力で認証できる支援プロジェクト」である第2フェーズに入ります。
・「協会のプレゼンス向上」では、「改正電子帳簿保存法」施行に伴う利便性向上を図るため「QRコードを利用した取引書類発行」を規格化し、本年いよいよ普及に向けた展開を行います。

本年、当協会は創立60周年を迎えます。デジタル化の進展(DX)やSociety5.0の実現を目指すとともに、将来の働き方の変化から「働くオフィスの姿」を予測し、どのように業界を発展させ、社会に貢献するかを検討してまいります。

末筆ではございますが、本年も関係官庁、関係諸団体の皆さまからのご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
また、会員の皆さまには引き続きご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、皆さまの益々のご健勝を心よりお祈り申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。